小森かずのこ
私は映画を見るのが好きなのですが、映画評というのに長年騙されてきて、ずいぶん苦い経験をしてきました。(ちょっと大袈裟か・・・)貴重な時間を費やして一本の作品と向き合うのですから、裏切られた時のショックは結構大きいものがあります。期待するから裏切られるんだ、と自分を「無」にして見ようとする努力はしているのですが、それ以前の事として、何の目安もないままでは特に最近やたらに多い作品のどれを見て良いものかわかりません。雑誌の映画評は袖の下をもらってるようなコマーシャル的なことしか書かないので当の昔に信用していないのですが、もっともらしく酷評ばかりしているニューズウィーク誌でさえ、監督や出演者の個人攻撃や背景観察が多すぎて、作品そのものを「どうなのか」教えてくれていないことがほとんどです。もうここらで騙されまいと思い、メディアに頼らないようにと思っても、当たり前にビデオやDVDのパッケージをそのまま信用して、「全然違う!」思いをしたことがある人は多いでしょう。
たくさんの駄作があるから珠玉の名作も際立つのでしょうが、あまり失敗したくない方のために、「あいつが『良い』と言った映画は裏切られたことがない」と評判の私めが、もったいないので出し惜しみしながら、安心して見られる佳作以上の作品をとりあげて「どうなのか」、ついでにダメな作品が「どうだめなのか」を語ってみましょう。
まあ、人それぞれ感じ方が違うので「うそつき」呼ばわりはお門違いにてご勘弁を。
それと、これで稼ごうとは思わないので‘おすぎ’のような受け狙いはありませんから、ご安心ください。


Vol.1

聖者の眠る街
THE SAINT OF FORT WASHINGTON

( 1993 ・ 米 ・ 107mins. )
製作総指揮:カール・クリフォード
製作総指揮・脚本:ライル・ケスラー
監督:ティム・ハンター 
出演:ダニー・グローヴァー
マット・ディロン
アメリカの現実を見せつけられた、というのが最初の印象。決して他人事ではない厳しい世界が身近にもあることを感じながら見ざるをえません。おじさんになる前のマット・ディロンが、彼だから美しくもはかなく演じられた役でしょう。ダニー・グローバーの役は日本人ならいかりや長助さんがはまります。厳しい現実の中でも、人を信じることの素晴らしさを感じさせてくれる1本です。
ひとりよがり評価 85点(100点満点)

グロリア
Gloria
(1999・米・107mins. )
監督:シドニー・ルメット
脚本:スティーヴン・アンティン
出演:シャロン・ストーン
ジェレミー・ノーザム
ジーン-ルーク・フィギュロア

アメリカ版のポスターはかっこいいが・・・
リュック・ベッソン監督の(数少ない)傑作「レオン」の原型でジョン・カサヴェテス監督、ジーナ・ローランズ主演の「グロリア」のリメイク。オリジナルは1980年の作品で探すのも大変、あまり知られていないかも知れないが、オリジナルを知っている人は見ない方がいい。シャロン・ストーンのエッチな映像をどうしても見たい人だけみれば良いと思うが、期待外れ。
シャロン・ストーンは「トータル・リコール」でシュワちゃんのウソ女房役のころがいちばん良かった。売れたらダメダメ。
キャサリン・ゼダ=ジョーンズもしかり。
ひとりよがり評価 30点(100点満点)

グロリア
GLORIA

( 1980 ・ 米 ・ 121mins. )
監督・脚本:ジョン・カサヴェテス
撮影:フレッド・シュラー
出演:ジーナ・ローランズ
ジョン・アダムズ
バック・ヘンリー
見ていると最初は陰気で殺伐としてくるが、最後にはジーナ・ローランズという女優のかっこよさや監督のあったかさが伝わってくる。昔は良い映画つくってたなあ・・・と思える作品。見ないと損。
ひとりよがり評価 88点(100点満点)


おことわり:「良い」評価がついてるからといって、期待して見るのはダメダメ。心を「無」にして見るのですよ。

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